芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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TOPICS

発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン

本日(平成23年8月29日)、国土交通省から「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」が公表されました。建設業法に照らし、施主と(施主から直接工事を請け負った)請負人のとるべき対応や不適切な対応等が明示されております。なお個人が発注する工事で専ら自ら利用する住宅や施設を目的物とするものに関する取引については、このガイドラインの対象とされておりません。

義援金等の差押禁止

既に報道されておりますように、東日本大震災の被災者の方々の生活再建のために、昨日(8月23日)、災害弔慰金及び災害障害見舞金、被災者生活再建支援金並びに義援金について、差押等を禁止する法案(災害弔慰金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案・東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案)が成立しました。支給・交付を受ける権利だけではなく、支給・交付された金銭についても差押が禁止される内容です。

なお参議院の災害対策特別委員会が指摘するように、「強制執行に当たり差押えが禁止された金銭であることを特定・識別することが可能となるよう、災害弔慰金及び災害障害見舞金、被災者生活再建支援金並びに東日本大震災関連義援金について都道府県及び市町村等が発行する証明書類等の実情を調査した上で裁判所と情報の共有を図るなど、本法の適切な運用がなされるよう努めること」(同委員会の議事録参照)が大事になるでしょう。

個人債務者の私的整理に関するガイドライン

東日本大震災の被災者の方々の所謂二重債務問題は、再スタートを切る上で足枷となることから、この問題に対する適切な対応が求められていたところ、その対策の一つである「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」の適用が平成23年8月22日から開始されました。このガイドラインによる債務整理を的確かつ円滑に実施するために、第三者機関として「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」(一般社団法人です)が設立され、Webサイトが公開されました。Webサイトでは、リーフレット(パンフレット)、書式一覧、手続の説明等が掲載されており、二重債務問題でお困りの被災者の方々にとって有益な情報が提供されております。

マンション標準管理規約の改正

平成23年7月27日、国土交通省からマンション標準管理規約の改正について発表がありました。今回の改正では、⑴執行機関(理事会)の適切な体制等の確保(役員の資格要件の緩和等)、⑵総会における議決権の取扱いの適正化(議決権行使書・委任状の取扱いの整理等)、⑶管理組合の財産の適切な管理等(長期修繕計画書等の書類等の保管等に関する整理等)及び⑷標準管理規約の位置づけの整理、という4項目に関して、規約及びコメントの変更がなされています。詳しくは国土交通省のWebサイトをご参照下さい。

建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵

建物の建築に携わる設計・施工者等の注意義務違反が原因で、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵が存在する場合には、(特段の事情がない限り)その設計・施工者等は不法行為による賠償責任を負うことになると説示した著名な最高裁判決がありますが(平成19年7月6日最高裁第二小法廷判決)、平成23年7月21日、その続編というべき判決が最高裁第一小法廷から言い渡されました。この判決では、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」について、「居住者等の生命,身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい,建物の瑕疵が,居住者等の生命,身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず,当該瑕疵の性質に鑑み,これを放置するといずれは居住者等の生命,身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合には,当該瑕疵は,建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当すると解するのが相当である。」と述べるとともに、「建物の美観や居住者の居住環境の快適さを損なうにとどまる瑕疵は,これに該当しないものというべきである。」と整理しています。

リゾナーレ(RISONARE)

Photo No.7

撮影場所:リゾナーレ(RISONARE)

撮影日 :2011.7.26

撮影者 :Y.T.

今年は2年ぶりに夏休みの旅行を復活させ、八ヶ岳の小淵沢にあるリゾナーレに宿泊しました。バブル期に建設された施設で、当時は自分とは無縁のリゾートホテルと思っておりましたが、実際滞在してみると計算された、面白みのある空間でした。

サントリーウイスキー博物館

Photo No.6

撮影場所:サントリーウイスキー博物館

撮影日 :2011.7.26

撮影者 :Y.T.

サントリー白州蒸留所を見学した際に撮影した写真です。周辺の木々と調和した建物でした。

貸主vs.借主

平成23年7月15日に更新料の有効性に関する最高裁判決が下されました。今年は、敷引特約の有効性に関する最高裁判決も下されており(特に同月12日の最高裁第三小法廷の判決は、賃貸借契約に関する様々な見方が示された興味深い判決です)、貸主側と借主側ががっぷり四つに組んだ戦いが繰り広げられた勝負の年でした。スポーツの世界では、王者が交代する前後の時期の試合では、名勝負となることが多く(双方の力が拮抗しているためでしょうか)、今回の貸主vs.借主という対決にもそのような側面があると感じています。裁判の結果はとりあえず貸主側に軍配が上がったと評価できそうですが、賃貸借(契約)における力関係の転換期(貸主側優位から借主側優位へという転換)にあるという見方です。借主側から提起された問題点については、人口の減少という外部環境に変化がない限り、賃貸市場の競争原理の中で改善されることになるのではないでしょうか。貸主側の戦いはこれからが本番かもしれません。

水まんじゅう

梅雨明け以降、東京は暑い日々が続いています。こうも暑いと「おやつ」に洋菓子を食べようという気分にはなかなかなりません。そこで近所の和菓子屋さんに足が向くことになりますが、写真の「水まんじゅう(ずんだ餡)」は、涼を感じさせるお気に入りの一品です。見た目も味も良い、季節感を巧みに表現するお菓子を生み出した、日本の伝統と和菓子職人さんの技に感謝します。

液状化

東北地方太平洋沖地震により引き起こされた東日本大震災において、改めて液状化の恐ろしさを実感致しました(なお、このサイトでは液状化の責任論を述べるつもりはありません)。7月6日付けの日本経済新聞によれば、「国土交通省は住宅地の液状化を防ぐための地盤強化策について、個人負担を軽減する新制度を設ける。」とのことで、新たな液状化対策の動きもあるようです。また国土交通省は、7月6日から、震災復旧・復興に資する約1,700件の技術を公表しておりますが、その中で液状化対策に関する多数の技術がUPされておりますので、興味のある方は同省のWebサイトをご参照下さい。

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