マンションに関連する新たな取り組み
現在、国土交通省は、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」と「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会」を設置し、共同住宅についてソフト及びハードの両面から検討を行っています。両検討会の議事録は後日公開されますので、今後、議事の内容や議論の方向性について(差し障りのない範囲で)随時コメントする予定です。
区分所有者の共同の利益に反する行為
問題行動を繰り返す区分所有者の存在は、マンションの管理組合にとって頭痛の種ですが、管理組合側としては、まずは、その問題行動が「区分所有者の共同の利益に反する行為」(区分所有法6条1項)に該当するか否かを判断し、その後の対応を考えることになります。もっとも、該当するか否かの判断が容易でない事例も少なくありませんが、先日、この「区分所有者の共同の利益に反する行為」に関連する最高裁の判決がありました(最高裁第三小法廷平成24年1月17日判決)。
最高裁は、「マンションの区分所有者が,業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布し,マンションの防音工事等を受注した業者の業務を妨害するなどする行為は,それが単なる特定の個人に対するひぼう中傷等の域を超えるもので,それにより管理組合の業務の遂行運営に支障が生ずるなどしてマンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には,法6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地があるというべきである。」と説示しました。
この事件は、東京高等裁判所に差し戻され、改めて審理されることになりましたが、マンションの管理を行う上で参考になる判例と考え紹介する次第です。
嬉しいニュース
先日、第84回選抜高校野球大会の出場校が決定しましたが、母校である高崎高校が一般選考枠で選ばれました。選手達が持てる力の全てを出し切れることを願っています。山際淳司さん、再び甲子園です。
前入居者の使用方法と心理的瑕疵
昨年、中古マンション売買の紛争事例で、マンションが前入居者(賃借人)によって「相当長期間にわたり性風俗特殊営業に使用されていたことは、民法五七〇条にいう瑕疵に当たるというべきである。」とし、売主(区分所有者)の瑕疵担保責任と不動産仲介業者の説明義務違反を認める内容の判決がありました(平成23年3月8日福岡高裁判決 判例時報2126号70頁)。
ちなみに、この前入居者の使用方法については、マンション管理組合と前入居者・区分所有者間での別の訴訟(第一審)において、前入居者が「実質的には性風俗特殊営業を営んでいたこと」が認定されております。判決内容の当否については立ち入りませんが、実務の上では、関係者の(噂)話ではなく、先行判決の事実認定という裏付けが存在した点が重要です。
亀甲竹
とあるところで亀甲竹(自生していたものを取り寄せたとのことです)の飾り付けを見ることができました。亀甲竹とは、孟宗竹の突然変異で、亀の甲羅のように節が斜めになった竹のことです。珍重されているそうで、年始から縁起が良いのかもしれません。
連棟式住戸の収去について
長年、マンションに関する相談に携わっていますと、関係者が悩み、判断に迷う問題の傾向が見えてきます。例えば、共用部分の範囲(実務上判断が難しいケースは珍しくありません)や借地権付マンションにおける地代未払者への対応などは、繰り返し相談がある事項です。いずれも容易に答えを出せない事実上又は法律上の問題を抱えていますが、平成24年1月1日号の判例時報で、この2つの点に「関連した」裁判例が紹介されました(大阪高判H23.3.30 判例時報2130号13頁)。強制執行手続により、連棟式一棟建物における特定の住戸部分を収去し、土地明渡を実現しようとしたところ、その当否が争われた事案です。原審の大阪地裁(大阪地判H22.11.4 判例時報2104号95頁)を含め、理由付けにおいて、裁判所の苦労がしのばれる判決内容となっております。
新年の挨拶
久米正雄記念館(旧久米正雄邸)
マンションにおける高圧電力の活用
本日の日本経済新聞(朝刊)に、「東京都内で不動産各社が相次いで、電気代の安さを売り物にしたマンションの開発に乗り出している。」と報じ、その仕組みとして「家庭向けの低圧電力に比べ約2割安い高圧電力を変圧し、各世帯に供給」などと解説しております。この種のビジネスに関わったことがありますが、当時、普段の生活の中で当然と思うところに改善可能性を感じ取り、ビジネスチャンスを見出そうとする関係者の姿勢が印象的でした。なお、法律は、分かり易く整理され、読み手に優しくあって欲しいものですが、残念ながら電気事業法はこの点において改善の要ありです。

