芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

本文へジャンプ

TOPICS

過ぎゆく季節

あっという間に6月となり、1年の半分が終わろうとしています。庭の花もあっという間に主役が交代しました。

3月中旬

4月

 

5月

賦課金と瑕疵担保責任

少し前の話ですが、土地区画整理事業の施行地区内の土地を売買により取得された方が、売買後に土地区画整理組合から賦課金を課されたため損害を被ったと主張し、売主に対し、瑕疵担保責任に基づく賦課金相当額の損害賠償等を求めた事案において、その瑕疵の有無等に言及した最高裁判決が登場しました。

最高裁第二小法廷は、平成25年3月22日、「瑕疵あり」とした広島高裁判決を破棄し、「買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課される一般的・抽象的可能性は,常に存在しているものである」として、これをもって「本件各土地が本件各売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず,本件各土地に民法570条にいう瑕疵があるということはできない」と判示しました。

 この当時、類似の別事件に関与し、上記広島高裁判決の考え方や事実認定は是認できないとの主張を展開してきた中で、ほぼ同趣旨のこの最高裁判決が登場したことは素直に嬉しかったことを覚えています。

もっとも、今度は買主側の相談も受けてみたいとも考えています。

春宵十話

角川ソフィア文庫から日本が誇る天才的数学者岡潔氏の「春宵十話」と「春風夏雨」が復刊されました。「人の中心は情緒である」ことを基本に据えて、いずれも著者の考えが自由な形式で述べられています。本の題名でもある「春宵十話」は、50年以上前に毎日新聞社で連載され、多くの人に影響を与えたようです。述べられていることが正しいかどうかはともかく、確かに人を惹きつけます。著者は、学生に対し、集団として考え、また行動するようしつけることに批判的で、「数人寄ってディスカッションをしないと物を考えられなくなる。しかしそれでは少なくとも深いことは何一つわからないのだ。」と述べていますが、「一人で」かつ「深く」考えた人の言葉だからこそ人を惹きつけ、影響を与えることができるのでしょう。話が面白い人の特徴の一つです。

旧日比谷公園事務所

Photo No.28

撮影場所:旧日比谷公園事務所

撮影日 :2015.2.6

撮影者 :Y.T.

東京弁護士会の選挙に向かう途中で撮影した写真です。明治13年(1910年)11月竣工とのことですが、今もなお新しさを感じる素敵な建物で、東京都指定有形文化財です。

撤饌

先日、ご相談者から水天宮の撤饌をお裾分けしていただきました。幸いなことに、神様の力を借りなければならない仕事を抱えているわけではありませんので、風邪にかからない力を授かりたいと思いながら、玉英堂彦九郎の「福は内」を頬張りました。

新年のご挨拶

新春を迎え、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。本年が、皆様にとって、素晴らしい一年になることを祈念しております。

今更ながら

スマートフォンに保存された写真をスクロールして眺めながら、1年間を振り返っていると、夏休みに撮影した写真が目に留まりました。宿泊したホテルの脇にある「森のホール」と呼ばれる建物で、スッキリした印象であったため、何とはなしに撮影したものです。インターネットで調べてみると、安藤忠雄氏が設計に関与されたようです。

耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン

平成26年12月24日、国土交通省から「耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン」が取りまとめられました。同省は、既に「マンション建替え実務マニュアル」等を公表しているところ、上記ガイドラインはそのシリーズの一つと位置付けられます。法的な拘束力を持つものではありませんが、マンションの建替え等を検討される方が手始めに参照する内容となっています。

手土産

仕事上で長くお付き合のある方から「松屋常盤」の「味噌松風」をいただきました。伝統ある京菓子の一つで、最近のお菓子と比べるのも野暮ですが、流行の軽い食感ではありません。帰宅後、味わいつつも、弁護士のあり方に思いをはせることになりました。

歴史主義の貧困

年末の休みを利用して、「歴史主義の貧困」(日経BPクラッシックス 著者:カール・ホパー)を読み直しました。カール・ホパーは、全体主義を批判した哲学者ですが、本書では、「本書成立の経緯」という箇所で端的に述べられているように、「本書の基本的主張は、〈歴史的な運命への信仰はまったくの迷信であり、人間の歴史の行く末を科学的方法または何らかの合理的方法により予測することはできない〉というものである。」という点について論じています。英語版の出版は1957年ですが、60年以上経てもなお興味深く読むことができる内容です。

この後、積ん読状態の「技術への問い」(平凡社 著者:マルティン・ハイデッガー)に挑戦しましたが、ページをめくる手が重くなってなかなか先に進まず、敢え無く途中棄権となりました。

ARCHIVE