芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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ARCHIVE :2011年7月

建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵

建物の建築に携わる設計・施工者等の注意義務違反が原因で、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵が存在する場合には、(特段の事情がない限り)その設計・施工者等は不法行為による賠償責任を負うことになると説示した著名な最高裁判決がありますが(平成19年7月6日最高裁第二小法廷判決)、平成23年7月21日、その続編というべき判決が最高裁第一小法廷から言い渡されました。この判決では、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」について、「居住者等の生命,身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい,建物の瑕疵が,居住者等の生命,身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず,当該瑕疵の性質に鑑み,これを放置するといずれは居住者等の生命,身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合には,当該瑕疵は,建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当すると解するのが相当である。」と述べるとともに、「建物の美観や居住者の居住環境の快適さを損なうにとどまる瑕疵は,これに該当しないものというべきである。」と整理しています。

リゾナーレ(RISONARE)

Photo No.7

撮影場所:リゾナーレ(RISONARE)

撮影日 :2011.7.26

撮影者 :Y.T.

今年は2年ぶりに夏休みの旅行を復活させ、八ヶ岳の小淵沢にあるリゾナーレに宿泊しました。バブル期に建設された施設で、当時は自分とは無縁のリゾートホテルと思っておりましたが、実際滞在してみると計算された、面白みのある空間でした。

サントリーウイスキー博物館

Photo No.6

撮影場所:サントリーウイスキー博物館

撮影日 :2011.7.26

撮影者 :Y.T.

サントリー白州蒸留所を見学した際に撮影した写真です。周辺の木々と調和した建物でした。

貸主vs.借主

平成23年7月15日に更新料の有効性に関する最高裁判決が下されました。今年は、敷引特約の有効性に関する最高裁判決も下されており(特に同月12日の最高裁第三小法廷の判決は、賃貸借契約に関する様々な見方が示された興味深い判決です)、貸主側と借主側ががっぷり四つに組んだ戦いが繰り広げられた勝負の年でした。スポーツの世界では、王者が交代する前後の時期の試合では、名勝負となることが多く(双方の力が拮抗しているためでしょうか)、今回の貸主vs.借主という対決にもそのような側面があると感じています。裁判の結果はとりあえず貸主側に軍配が上がったと評価できそうですが、賃貸借(契約)における力関係の転換期(貸主側優位から借主側優位へという転換)にあるという見方です。借主側から提起された問題点については、人口の減少という外部環境に変化がない限り、賃貸市場の競争原理の中で改善されることになるのではないでしょうか。貸主側の戦いはこれからが本番かもしれません。

水まんじゅう

梅雨明け以降、東京は暑い日々が続いています。こうも暑いと「おやつ」に洋菓子を食べようという気分にはなかなかなりません。そこで近所の和菓子屋さんに足が向くことになりますが、写真の「水まんじゅう(ずんだ餡)」は、涼を感じさせるお気に入りの一品です。見た目も味も良い、季節感を巧みに表現するお菓子を生み出した、日本の伝統と和菓子職人さんの技に感謝します。

液状化

東北地方太平洋沖地震により引き起こされた東日本大震災において、改めて液状化の恐ろしさを実感致しました(なお、このサイトでは液状化の責任論を述べるつもりはありません)。7月6日付けの日本経済新聞によれば、「国土交通省は住宅地の液状化を防ぐための地盤強化策について、個人負担を軽減する新制度を設ける。」とのことで、新たな液状化対策の動きもあるようです。また国土交通省は、7月6日から、震災復旧・復興に資する約1,700件の技術を公表しておりますが、その中で液状化対策に関する多数の技術がUPされておりますので、興味のある方は同省のWebサイトをご参照下さい。

平和茶会

本日、銀閣(慈照寺)において、「平和茶会」が開催されております。参加費の一部とオークションの売上は、東日本大震災の復興や難民の医療支援のために寄付されることになっており、多数の方がご出席されております。有意義な試みですので、来年以降の継続的な開催が期待されます。

不動産取引と暴力団排除条項

不動産流通4団体は、平成23年5月末までに暴力団等の反社会的勢力を排除するための契約条項(案)をとりまとめ、6月以降、講習会等を通じて会員を啓蒙し、この条項案の普及を図ることになりました。不動産流通4団体とは、社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、社団法人全日本不動産協会、社団法人不動産流通経営協会及び社団法人日本住宅建設産業協会のことです。今後は、不動産取引の契約書に「暴力団等反社会的勢力排除条項」が記載されるケースが一層増えることになります。

北野物語館(旧M.J.シェー邸)

Photo No.5

撮影場所:北野物語館(旧M.J.シェー邸)

撮影日 :2011.6.8

撮影者 :Y.T.

本日、関西方面に出張したため、時間を遣り繰りして、旧M.J.シェー邸を訪ねました。これはその時に撮影した写真です(横顔を撮ったような写真となってしまいました)。明治時代の建物ですが、現在は、スターバックスコーヒー神戸北野異人館店として活躍中です。元気で、お洒落な、お爺さん(お婆さん)建物です。

震災特例法による印紙税の非課税措置に関するQ&A

東日本大震災の被災者の方を対象に、「消費貸借に関する契約書」(金銭借用証書等)、「不動産の譲渡に関する契約書」及び「建設工事の請負に関する契約書」について(但し、一定の要件があります)、印紙税が非課税とされる税制上の特例措置が設けられております。具体的なケースでは、この特例措置を受けることができるかどうか迷う場面も予想されますが、平成23年6月6日、国税庁から「震災特例法による印紙税の非課税措置に関するQ&A」が公表されましたので、参考にすべき情報の一つとして紹介する次第です。

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