芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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貸主vs.借主

平成23年7月15日に更新料の有効性に関する最高裁判決が下されました。今年は、敷引特約の有効性に関する最高裁判決も下されており(特に同月12日の最高裁第三小法廷の判決は、賃貸借契約に関する様々な見方が示された興味深い判決です)、貸主側と借主側ががっぷり四つに組んだ戦いが繰り広げられた勝負の年でした。スポーツの世界では、王者が交代する前後の時期の試合では、名勝負となることが多く(双方の力が拮抗しているためでしょうか)、今回の貸主vs.借主という対決にもそのような側面があると感じています。裁判の結果はとりあえず貸主側に軍配が上がったと評価できそうですが、賃貸借(契約)における力関係の転換期(貸主側優位から借主側優位へという転換)にあるという見方です。借主側から提起された問題点については、人口の減少という外部環境に変化がない限り、賃貸市場の競争原理の中で改善されることになるのではないでしょうか。貸主側の戦いはこれからが本番かもしれません。

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