芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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CATEGORY :閑 話

生の短さについて

今年も四分の一が過ぎてしまいました。一週間、一ヶ月、一年という時の単位が毎年短くなるかのように時間が過ぎ去っていきます。そのような中で、セネカの「生の短さについて」(岩波文庫 大西英文訳)を読みました。「いいね」と思う人も多いかもしれませんが、「どうかな」と思う人も相当いるだろうなという内容です。

この作品の中には、弁護人や裁判官について言及している箇所が幾つかありますが、次の一節は強烈です。

「見苦しきは、高齢になってなお、自分とは縁もゆかりもない訴訟の当事者のために裁判で弁護に立ち、取り囲む無知な傍聴者らの賛同を得ようと躍起になっているうちに息を引き取る者である。」

残念ながら見苦しい人生に突き進んでいます。

成城の桜

春らしく桜の写真をアップしました。電柱・電線がないともっと素晴らしいのですが。

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人生処方詩集

以前に「ヒトラー演説」や「言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集」などドイツに関連する本を紹介しましたが、今回とりあげる「人生処方詩集」(岩波文庫)も、偶々なのですが、ドイツ絡みです。この詩集は、ドイツの詩人・作家であるエーリヒ・ケストナーの作品で、序文によれば、人生における「さびしさ」や「失望」などの心の悩みを和らげる目的で出版されたようですが、優しく慰めるという内容ではなく、随所に皮肉というスパイスがきいて、刺激的です。

 

ぼくらはみな おなじ列車にこしかけ

時代をよこぎり 旅をしている

 

これは「列車の譬喩」という題の詩の冒頭部分です。

高校の同窓会に顔を出し、実家から東京に向かう新幹線の座席でせつなさを感じつつ読みましたが、この詩集には、「同級会」という題の詩もあり、同級会に出席する者を相当辛辣に表現しています。そこでは苦笑いするしかありませんでした。

木の時代

先週末、ある講演会に招待していただき、著名な建築家の講演や建材メーカーのトップによるパネルディスカッションを聴く機会を得ました。美しい建物の話をとおして「木の時代」という大きなテーマが語られる一方で、クリーンウッド法(合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律)への対応について意見が交わされるなど、展開力(?)のある講演会でした。

昔からある食べ物、昔から読まれている本、昔から使用されている物(素材)は基本的に体や心に「良いもの」と思っています。木や石などは、様々な素材として、今後も人を惹きつけ続けることでしょう。

新年のご挨拶

新春を迎え、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

本年が、皆様にとって、記憶に残る素敵な一年となることを祈念しております。

「言葉の力」と「言葉の遊び」

ヴァイツゼッカーは、ドイツ統一時の大統領で、その演説集が「言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集」として岩波現代文庫から刊行されています。11編の演説によって構成されていますが、個人的な感想としては、理想に重きをおいた演説内容との印象です。例えば、五月八日演説(「荒れ野の四十年」)では悲しみに満ちた過去を踏まえ、「かつて起ったことへの責任は若い人たちにはありません。しかし、歴史のなかでそうした出来事から生じてきたことに対しては責任があります」と語りますが、当時のコール首相は、「後から生まれた者の恩恵」による免罪を説いていました。

演説内容は、人によって評価は大きく異なるでしょうが、自分の考えを自分の言葉で語ろうという姿勢が人の心に働きかける響きを生み出しているのかもしれません。共感した点は、ある誕生会の演説(「パトリオティズムを考える」)における一節で、理想論に走らず、「根なし草の世界市民ではヒューマンな態度に説得力がありません。寛容が花を咲かせるのは、根を失って普遍的な融合をしている場ではなく、自らの立場を意識している所であります。」という部分です。

このような「言葉の力」に関する本を読んでいた時期に、ある人に誘われて、ダジャレ教室に参加しました。主催者の説明によれば、「言葉の遊び」は、小学校の国語の教科書にも載っているとのことです。これはこれで楽しかったのですが、頭が疲れた一日でした。

照明学会

国立国会図書館において、照明学会の講演論文集を調べていたところ、探していた資料のほかに、多彩なテーマで様々な研究成果が発表されていました。例えば、家具の色彩と空間の明るさの感じ方との関係や音楽の印象を高めるための照明パターンに関する考察などです。好奇心がくすぐられる論文集でした。

根付

先月購入した根付です。お店の方からは、17世紀から18世紀頃に上方で制作された可能性が高いとの説明がありました。購入時に根付と提物のカタログ(写真集)を頂きましたが、美しい写真が多く、目の保養となりました。

甘い日

先月のある日、嬉しいことに、包みからして凜々しいお菓子を午前と午後にいただきました。午前のお菓子は、由緒正しく、午後のお菓子は、見た目も味も俊逸です。お気遣いに深く感謝する次第です。

村上開新堂です。

福岡博多の鈴懸(すずかけ)です

新年のご挨拶

新春を迎え、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

本年が、皆様にとって、実り多き年になりますことを祈念しております。

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