芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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人生処方詩集

以前に「ヒトラー演説」や「言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集」などドイツに関連する本を紹介しましたが、今回とりあげる「人生処方詩集」(岩波文庫)も、偶々なのですが、ドイツ絡みです。この詩集は、ドイツの詩人・作家であるエーリヒ・ケストナーの作品で、序文によれば、人生における「さびしさ」や「失望」などの心の悩みを和らげる目的で出版されたようですが、優しく慰めるという内容ではなく、随所に皮肉というスパイスがきいて、刺激的です。

 

ぼくらはみな おなじ列車にこしかけ

時代をよこぎり 旅をしている

 

これは「列車の譬喩」という題の詩の冒頭部分です。

高校の同窓会に顔を出し、実家から東京に向かう新幹線の座席でせつなさを感じつつ読みましたが、この詩集には、「同級会」という題の詩もあり、同級会に出席する者を相当辛辣に表現しています。そこでは苦笑いするしかありませんでした。

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