芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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ARCHIVE :2012年2月

都市で暮らすということ

東日本大震災をきっかけに、地盤の良し悪しなどというレベルの問題ではなく、どうしてこの街に住んでいるのか、どこの街に住むのか、ということについて思い巡らした方も多いのではないでしょうか。都市に住み、土地に縛られることなく、どこでも仕事や生活ができる方は、そのような我が身をありがたく思ったかもしれません。ただ、その一方で「その場所」と強く結び付けられた方の「その場所」に対する強烈な想いを羨ましく感じたこともあったはずです。

都市での生活者の多くは、通勤や子供の通学の利便性などを考慮し、また、ちょっとした偶然にも左右されつつ(偶々その街で気に入った不動産が売りに出されていた又は賃貸物件が募集されていたなどの事情)、経済的な制約(ローンや家賃の問題)と折り合いをつけながら、今の街を選択し、そこで暮らしているように思います。もっとも、仕事から退く時は必ず訪れ、子供も成長しますので、今暮らしている街と自分とを結び付けてきた利便性の持つ重みはいずれ変わります。従って、利便性以外の点で街との繋がりを感じることができないと「根無し草」であるかのような感覚に襲われることになりかねません。インターネット上での繋がりが地域との結びつきに代わることが可能かどうか分からない中、都市で心安らかに最後まで暮らしきるには相当の努力・覚悟が必要であると感じています。

マンションの今とその先(その2)

現在のマンションは、新築、分譲、適切な管理、建て替え、そして再び適切な管理・・・というサイクルを辿ることが予定され、このサイクルを守るために、管理体制の改善・強化、建て替えの促進策等が講じられてきました。しかし、昨日のTOPICSで触れたように、(事実上)建て替えという出口しかない制度はいささか窮屈です。建て替えに加え、例えば、(特別)多数決により区分所有関係を解消し、換価・分配するという別の出口が与えられても良いように思えます。現行法でも区分所有関係の解消は可能ですが、全員の同意が必要な点がボトル・ネックとなっています。

マンションの今とその先(その1)

2月10日付の読売新聞(朝刊)は、行政刷新会議の「規制・制度改革に関する分科会」が、規制改革検討案に「老朽化した団地の一括建て替えに必要な区分所有法の要件見直しなどを盛り込んだ。」と報じました。老朽化が進んだマンションが放置される場合、そこに住む方の安全・安心の問題だけではなく、その周辺に与える影響も懸念されるため、行政刷新会議が打ち出した方向性は概ね理解できます。ただ、今後のマンションの在り方まで考えた場合、建て替えの促進だけではなく、マンションの終わり方として(事実上)建て替えしかないという窮屈な制度を本格的に見直す時期に来ているのではないでしょうか。

郡山市公会堂

Photo No.14

撮影場所:郡山市公会堂

撮影日 :2012.2.8

撮影者 :Y.T

江戸時代から郡山という家系の方に案内していただきました。郡山のシンボル的存在の建物です。雪が残る道端から撮影した、凍えるような寒さの中での1枚です。

旧福島県尋常中学校本館(安積歴史博物館)

Photo No.13

撮影場所:旧福島県尋常中学校本館(安積歴史博物館)

撮影日 :2012.2.8

撮影者 :Y.T

東北地方太平洋沖地震により被災し、現在、休館中であることを承知の上で寒空のもと現地を訪れました。応急的な修理がなされた状態の痛々しい姿でしたが、凛とした佇まいです。明治22年に建築された国指定の重要文化財です。

マンションに関連する新たな取り組み

現在、国土交通省は、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」と「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会」を設置し、共同住宅についてソフト及びハードの両面から検討を行っています。両検討会の議事録は後日公開されますので、今後、議事の内容や議論の方向性について(差し障りのない範囲で)随時コメントする予定です。

区分所有者の共同の利益に反する行為

問題行動を繰り返す区分所有者の存在は、マンションの管理組合にとって頭痛の種ですが、管理組合側としては、まずは、その問題行動が「区分所有者の共同の利益に反する行為」(区分所有法6条1項)に該当するか否かを判断し、その後の対応を考えることになります。もっとも、該当するか否かの判断が容易でない事例も少なくありませんが、先日、この「区分所有者の共同の利益に反する行為」に関連する最高裁の判決がありました(最高裁第三小法廷平成24年1月17日判決)。

最高裁は、「マンションの区分所有者が,業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布し,マンションの防音工事等を受注した業者の業務を妨害するなどする行為は,それが単なる特定の個人に対するひぼう中傷等の域を超えるもので,それにより管理組合の業務の遂行運営に支障が生ずるなどしてマンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には,法6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地があるというべきである。」と説示しました。

この事件は、東京高等裁判所に差し戻され、改めて審理されることになりましたが、マンションの管理を行う上で参考になる判例と考え紹介する次第です。

嬉しいニュース

先日、第84回選抜高校野球大会の出場校が決定しましたが、母校である高崎高校が一般選考枠で選ばれました。選手達が持てる力の全てを出し切れることを願っています。山際淳司さん、再び甲子園です。

前入居者の使用方法と心理的瑕疵

昨年、中古マンション売買の紛争事例で、マンションが前入居者(賃借人)によって「相当長期間にわたり性風俗特殊営業に使用されていたことは、民法五七〇条にいう瑕疵に当たるというべきである。」とし、売主(区分所有者)の瑕疵担保責任と不動産仲介業者の説明義務違反を認める内容の判決がありました(平成23年3月8日福岡高裁判決 判例時報2126号70頁)。

ちなみに、この前入居者の使用方法については、マンション管理組合と前入居者・区分所有者間での別の訴訟(第一審)において、前入居者が「実質的には性風俗特殊営業を営んでいたこと」が認定されております。判決内容の当否については立ち入りませんが、実務の上では、関係者の(噂)話ではなく、先行判決の事実認定という裏付けが存在した点が重要です。

亀甲竹

とあるところで亀甲竹(自生していたものを取り寄せたとのことです)の飾り付けを見ることができました。亀甲竹とは、孟宗竹の突然変異で、亀の甲羅のように節が斜めになった竹のことです。珍重されているそうで、年始から縁起が良いのかもしれません。

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