芝大門法律事務所 所属弁護士 田村佳弘

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理性の限界

極めて不完全な人間であることを自認する私は、「弱さ」に関する本が気になります。先日、仕事と仕事の間のちょっとした空き時間に立ち寄った書店で、「理性の限界」という新書(講談社現代新書 著者:高橋昌一郎氏)が目にとまりました。帯紙には「囚人のジレンマから神の非存在論まで」との難しそうな言葉が並んでいましたが、頁をパラパラめくると、架空の人物(「大学生」、「会社員」、「科学主義者」、「論理学者」、「数理経済学者」などが登場します)が議論をする形式で、専門用語を使わずに難解な概念を説明するというコンセプトらしく、購入することにしました。

著者は、「あくまで楽しみながら考えるという趣旨を優先したつもりである。」と述べていますが、「アロウの不可能性定理」、「ハイゼンベルグの不確定性原理」、「ゲーデルの不完全性定理」などの難しい話を、普通の人が興味を持つように話を作り込む作業はさぞかし大変なことであっただろうと想像されます。

大変面白い本でした。

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