2017年1月
2017.1.31
人生処方詩集
以前に「ヒトラー演説」や「言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集」などドイツに関連する本を紹介しましたが、今回とりあげる「人生処方詩集」(岩波文庫)も、偶々なのですが、ドイツ絡みです。この詩集は、ドイツの詩人・作家であるエーリヒ・ケストナーの作品で、序文によれば、人生における「さびしさ」や「失望」などの心の悩みを和らげる目的で出版されたようですが、優しく慰めるという内容ではなく、随所に皮肉というスパイスがきいて、刺激的です。
ぼくらはみな おなじ列車にこしかけ
時代をよこぎり 旅をしている
これは「列車の譬喩」という題の詩の冒頭部分です。
高校の同窓会に顔を出し、実家から東京に向かう新幹線の座席でせつなさを感じつつ読みましたが、この詩集には、「同級会」という題の詩もあり、同級会に出席する者を相当辛辣に表現しています。そこでは苦笑いするしかありませんでした。
2017.1.31
木の時代
先週末、ある講演会に招待していただき、著名な建築家の講演や建材メーカーのトップによるパネルディスカッションを聴く機会を得ました。美しい建物の話をとおして「木の時代」という大きなテーマが語られる一方で、クリーンウッド法(合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律)への対応について意見が交わされるなど、展開力(?)のある講演会でした。
昔からある食べ物、昔から読まれている本、昔から使用されている物(素材)は基本的に体や心に「良いもの」と思っています。木や石などは、様々な素材として、今後も人を惹きつけ続けることでしょう。